もともと猫は用心深くて警戒心が強い動物。自分のなわばりをとても大切にします。そのなわばりは二種類あり、寝場所など安心して過ごせる場所をハイムテリトリー、獲物を狩猟する場所をハンティングエリアといいます。
飼い猫が毎日出かけて自分のなわばりをパトロールするのは狩猟本能の名残り。なわばりが何者かに脅かされていないか、新参者が侵入していないかなどをチェックするため。それはいざ獲物を捕らえるときにその環境や状況を把握しておくことで狩猟の成功率を高めるためだと考えられています。
なわばりを主張する方法は爪とぎや尿かけ(スプレー)など、いわゆるマーキング行為と呼ばれるもの。公園の木など、なるべく高い場所に背伸びをして爪を立てひっかき傷を作るのが爪とぎ、尿かけ(スプレー)はオス猫特有のマーキングで壁や塀、植込みの木、車のタイヤなどにオシッコをかけてニオイづけをするものです。
いずれもなるべく高い位置にマーキングしようとしますが、これは自分をより大きく見せて他の猫に対して強さをアピールするためです。
なわばりの範囲は、個体差や生活環境によって異なりますが、だいたい半径100〜500メートル程度。室内で飼っている場合は5メートルくらいのなわばりでも不自由しないようです。(室内飼いの場合は自分のなわばりを家の中と決めているので、外との行き来ができなくても猫にとっては不自由なことではない)
また、一般的にオスよりもメスの方がなわばりの範囲が狭く、いったん決めたらそこから出ようとしませんが、反対にオスは発情期になるとメスを求めてなわばりの外に出てしまうことがよくあります。
なわばりが狭いということは、近隣の猫同士で重なることがあります。猫同士で屋根の上や空き地、公園などに集まり(いわゆる「猫の集会」)お互いの顔を覚えたりニオイを確認し合って、なわばり争いを起こさないようにしているようです。
ただし安息の場所、すなわちハイムテリトリーに他の猫が侵入したときは自分のなわばりを守ろうとして派手なケンカになることがあります。
例えば部屋の隣に塀があり、違う猫がその塀をつたって歩いてくるのを窓からみつけると、背中を丸め毛を逆立てて自分を大きく見せながら威嚇して相手を近づけまいとします。
また猫は高いところに昇るなど、上下運動ができるように風景を立体的に記憶している動物。夜な夜な出かけるパトロールの道順も頭の中に描かれた3Dの地図に従って行動しているのかもしれませんね。
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