| 犬が仰向けになってお腹を見せるのは服従のポーズ。骨で守られていないお腹は攻撃されると致命傷となる場所。お腹を見せるのは、それだけ相手を信頼している証拠です。
そして信頼している飼い主さんにお腹をなでてもらうのは、犬にとっては至福の時。クーンと甘えた声でおねだりされると、ついつい応えてしまうのは人情というもの。ごく自然なコミュニケーションですね。
ただし愛犬がおねだりするたびに応え続けていると、犬は要求すればいつでも応じてくれると勘違いします。そして、それが当たり前になると、要求が満たされないとき飼い主さんのことを自分のいうことをきかない相手とみなして牙を剥いてガルルと唸って威嚇するようになります。
この威嚇行為がエスカレートした場合は要注意。犬は自分こそがボスだと思いこみ、飼い主さんを自分より下の存在として扱うようになります。あらゆる要求を命令として飼い主さんにぶつけるようになり、その要求に飼い主さんが応えない場合、犬は飼い主さんを調教しようと鳴いて指示したり唸って脅したりと、手に負えない状況になってしまいます。
これは権勢症候群(アルファー・シンドローム)といわれるもので、犬本来の性格に起因するものではなく飼い主さんの愛犬への間違った甘やかし方が原因です。
対応策は接し方を変えること。どんなにおねだりしてもそれに反応せず、犬の誘いを完全に無視することです。目の前でお腹を出して仰向けにひっくりかえったら、さっさとその場から立ち去って相手にならないようにしましょう。どんなに鳴いて騒いでもそれに応じないことが大切です。そして時間がたってから、あらためて愛犬の名を呼び犬が飼い主さんのところにやってきたらお腹をなでてあげましょう。お腹の愛撫に限らずオヤツを与えるときやボールで遊ぶときなど、どんなアクションをするにしても飼い主さんが犬を誘導する接し方に変えていくのです。そうすると愛犬は飼い主さんのいうことをきくといいことがある、楽しいことがあると学習して飼い主さんを自分よりも上の存在として意識するようになります。
甘える犬を無視することは一見冷酷な行動に思えるかもしれませんが、無視はしつけの手段のひとつ。犬が主導権を主張して問題行動を起こさないよう、無視と同時に飼い主さんがイニシアチブをとる接し方に変えていくことが結果的に豊かなワンダフルライフに繋がります。
 |
| 犬が飼い主よりも優れていると思い込むことで、飼い主に対して指示や命令するなど問題行動を起こすことを権勢症候群(アルファー・シンドローム)という。原因は飼い主の愛犬への間違った甘やかし方がほとんどで、犬の性格に起因するものではない。 |
| ● |
愛犬に対して、飼い主こそがリーダーであると明確に教える。 |
●
|
フードやオヤツを与えるとき、オテやオスワリなどの指示をだして、従ったら与えることを儀式化して習慣づけるとよい。犬は飼い主のいうことをきくと嬉しいことがあると認識して飼い主からの指示や命令を待つようになる。 |
| ● |
ボール遊びや綱引きなど、遊びを始めるとき、そして終えるときは必ず飼い主主導で行う。始めるときに「遊ぼう!」終えるときに「おしまい」などのように、一定のキーワードを決めて接するとより効果的。 |
|
|